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クロスローラベアリング■許容回転数クロスローラベアリングの許容回転数は、取付けや使用条件によって影響を受けます。一般的な使用条件でのdmn値は、表13の値以下を目安としてください。表13クロスローラベアリングのdmn値(1)軸受の形式保持器付き又はセパレータ付き総ころ潤滑グリース潤滑油潤滑開放形密封形開放形密封形75000600005000040000150000─75000─注(1)dmn値=dm×nここにdm:軸受内径と外径との平均値mmn:回転速度min-1■摩擦トルククロスローラベアリングは、滑り軸受に比べて起動摩擦が小さく、しかも、起動摩擦と動摩擦の差が小さいので、機械の動力損失を減少させ、温度上昇を少なくすることができ、機械効率を高めます。摩擦トルクは、軸受荷重や潤滑剤の特性などに影響され、特に、取付け後のマイナスのラジアルすきまによる予圧荷重は大きく影響します。摩擦トルクは、種々の要素で決まるため複雑ですが、便宜上次の式で表されます。T=μP0rDpw2ここに:摩擦トルクN·mm:摩擦係数(約0.010)TμP0r:静等価ラジアル荷重NDpw:ころセットのピッチ径mm(Dpw≒d+D2)なお、取付け後のマイナスのラジアルすきまが大きくなる場合は、IKOにお問い合わせください。■潤滑通常、この軸受はグリース潤滑が一般的で、補給するときは内輪と外輪とのすきまの円周上数箇所から、グリースガンのノズルを押し当てて行います。グリース封入軸受を表14に示します。潤滑グリースとしてシェルルブリカンツジャパン(株)アルバニヤEPグリース2を封入しています。グリース封入なしの軸受は、グリース又は油を給油して使用してください。無給油のままで使用すると、転がり接触面の摩耗が増加したり、音響、発熱に大きな影響を与え短寿命の原因となります。また、密封形はシールが外れないようグリースを封入する圧力に注意してください。なお、特殊グリースを使用するときは、基油粘度や極圧添加剤などを十分検討する必要がありますので、IKOにお問い合わせください。表14グリース封入軸受〇:封入あり×:封入なしシール部の構造開放形(無記号)密封形(UU)××××〇〇×-×〇〇〇〇---〇〇片側密封形(U)--××---××形式記号CRBHV…ACRBFV…ACRBCCRB…ACRBTCRBTF…ACRBSCRBS…ACRBS…V■油穴クロスローラベアリングは、ご指定により軌道輪に油穴、油溝を設けることができます。ただし、超薄形及び超薄形取付穴付きには適用しません。外輪に油穴を付けるときは、呼び番号のすきま記号の前に“-OH”を付け、油穴と油溝付きのときは“-OG”を付けてご指示ください。また、内輪に油穴を付けるときは“/OH”を付け、油穴と油溝付きのときは“/OG”を付けてご指示ください。なお、高剛性形クロスローラベアリングV及び高剛性取付穴付きクロスローラベアリングVには、あらかじめ外輪に油溝と2箇所の油穴を設けてあります。表15に油穴の適用表を示します。表15油穴の適用表油穴記号/nOH/nOG-nOHCRBS注(1)CRBHV…A及びCRBFV…Aには外輪に油溝と2個の油穴が付いています。備考nは、4個以下の油穴の数を示します。ただし、1個のときは表示しません。なお、多数の油穴を設けるときは、IKOにお問い合わせください。435形式記号CRBHV…ACRBFV…ACRBCCRB…ACRBTCRBTF…ACRBSCRBS…A…V〇-〇〇--〇〇〇-nOG-(1)-(1)〇〇-------〇〇--〇〇〇〇-〇〇-----