IKO_CAT-1603_NEEDLE_JP


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図27圧入力と引抜力内輪を軸にしめしろをもって圧入するときの圧入力、又は引き抜くときの引抜力の目安は、次の式から求められます。K=fkdd+2∆dfB{1-()dF2}……………(39)ここにK:圧入力又は引抜力Nfk:摩擦係数によって決まる抵抗係数内輪を軸に圧入する場合fk=4×104内輪を軸から引き抜く場合fk=6×104d:内輪内径mm∆df:見かけのしめしろmmB:内輪幅mmF:内輪外径mm実際の圧入力や引抜力は、取付誤差などにより、計算で求めた値より大きくなることがあります。取外し用具を設計する場合、5倍以上の荷重に耐えられる強度(剛性)が必要です。運転検査軸受を取り付けた後、取付けが正常であるかを確認するため、運転検査を行います。一般に、手回しで円滑に回転し、異常がないかを確認します。その後、動力運転で無負荷・低速回転から徐々に所定の条件にして、異常の有無を確認します。音響はハウジングに聴音器などを当てて、耳で検査できます。運転検査では、次の異常の有無を確かめます。❶手動運転の場合(a)回転トルクのむら………………………取付不良(b)ゴトゴト音がしてひっかかる…軌道面の圧痕・きず(c)不規則な音……………………ごみや異物の侵入❷動力運転の場合(a)異常音、振動……軌道面の圧痕、すきまの過大(b)異常温度…潤滑剤の不適、取付不良、すきまの過小軸受の取扱い非分離形軸受を取り付けるとき、図27のように、当て金を使用して、内外輪を同時に押し込みます。外輪をたたいて内輪を軸にはめ込んだり、内輪をたたいて取り付ける方法は、軌道面と転動体にきずや圧痕が生じるので、絶対に避けなければなりません。なお、作業を行うとき、はめあい面に粘度の高い油を塗布すると、はめあい面の摩擦を減少させることができます。❷熱ばめによる取付けしめしろの大きい場合や、大形軸受の取付けに用いられる方法で、外輪に対してはハウジングを、軸に対しては内輪を加熱し、直径の膨張を利用して無理なく短時間で取り付けられます。熱ばめの場合の温度は最高120℃までとし、適切に加熱します。熱ばめの油は腐食性の少ない純鉱物油がよく、変圧器用絶縁油が最適とされています。取付け後、軸受は冷却すると軸方向にも収縮するので、内輪と軸の肩との間にすきまが生じないよう、収縮が終るまで軸方向に力を与えて密着させてください。また、外輪とハウジングとのしめしろが大きい場合、ドライアイスなどを使用して軸受を冷却して取り付ける冷しばめの方法があります。取り付けた直後に、空気中の水分が軸受に付きやすいので、防せい処置に注意する必要があります。62


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