IKO_CAT-1603_NEEDLE_JP


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使用温度範囲ニードルベアリングの使用温度は、一般的に-20~120℃の温度範囲で使用することができます。これ以外の温度条件下で使用する場合、封入グリースやシール、保持器材質などの使用温度範囲により制限を受ける場合があります。また、120℃以上の高温で使用する場合、寸法の変化量が大きくなるため特殊な熱処理を施すことが必要です。形式によっては使用温度範囲が異なる場合がありますので、各軸受の項を参照してください。摩擦と許容回転数/使用温度範囲摩擦と許容回転数許容回転数転がり軸受の回転速度を大きくしていくと、軸受内部の保持器、軌道輪及び転動体の、相互に滑り接触する部分の発熱のため、軸受の温度は次第に高くなり、軸受は焼付きを起こします。そのために、長期間安全に運転できる許容回転数が存在します。発熱量は、ほぼ、接触部の滑り速度に比例しているため、この滑り速度が、軸受の回転数の限度を示す目安となっています。したがって、軸受の許容回転数は、軸受の形式、大きさ、軸受荷重、潤滑方法、ラジアルすきまなどによって異なります。寸法表に示した許容回転数は、経験的に得られた値であり、軸受の使用条件により変わり得るもので、絶対的な値ではありません。軸受まわりの構造と精度、潤滑剤、潤滑方法などを吟味すれば、軸受によっては2倍以上の回転数で異常なく運転することもできます。摩擦転がり軸受は、滑り軸受に比べて起動摩擦が小さく、しかも、起動摩擦と動摩擦の差が小さいので、機械の動力損失を減少させ、温度上昇を少なくすることができ、機械効率を高めます。摩擦トルクは、軸受の形式、軸受荷重、回転速度、潤滑剤の特性などによって影響を受け、軽荷重・高速回転では潤滑剤によって、重荷重・低速回転では荷重によって変化します。転がり軸受の摩擦トルクは、種々の要素で決まるため複雑ですが、便宜上、次の式で表されます。・ラジアル軸受M=μPd2………………………(37)・スラスト軸受M=μPdm2………………………(38)ここにM:摩擦トルクN・mmμ:摩擦係数P:軸受荷重Nd:軸受内径mmdm:軸受内径と外径との平均値mmニードルベアリングの摩擦係数は、潤滑や取付条件が適性であり、荷重がある程度以上大きく安定した運転条件では、およそ表40のとおりです。表40摩擦係数軸受の形式保持器付ニードルベアリング総ころニードルベアリングスラストニードルベアリングスラストローラベアリングμ0.0010~0.00300.0030~0.00500.0030~0.00400.0030~0.004060


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