IKO_CAT-1603_NEEDLE_JP


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図22飛まつ潤滑油潤滑❶油浴潤滑油潤滑の最も一般的な潤滑方法で、中速又は低速に用いられます。油量が多すぎると攪拌熱を発生し、少ないと摩擦による焼付きを起こすことがあり、適正な油量にする必要があります。油面は停止時、横軸の場合軸受の最下位の転動体中心付近とし、立軸の場合は転動体の約50%が浸るようにします。また、停止時及び運転時に油面の高さを容易に点検できるように、オイルゲージを備えることが望まれます。❷滴下潤滑可視式オイラ又は繊維のひもに伝わって滴下した油が、回転する保持器、軸、ナットなどによって生じた風圧で霧状になるか、油滴が回転体に衝突して霧状になってハウジング内を満たし潤滑する方法で、滴下油が摩擦熱を運び去るので、油浴式より冷却効果は大きく、高速で中程度の荷重の箇所に多く用いられます。可視式オイラ(図21)は、滴下する油量を調節できますが、ひも給油では油量の調節は困難です。油滴の量は軸受の形式、回転数などで異なりますが、毎分5~6滴程度が一般的です。❸飛まつ潤滑歯車や円板の回転によって油をはね飛ばし、飛まつにして給油する方法で、軸受が直接油に浸ることなく、かなり高速回転まで可能です。軸受と歯車を共通の油で潤滑するようなギヤーケースでは、攪拌によって摩耗粉が、油とともに軸受に運ばれることがあります。その際には、ギヤーケースの底部に永久磁石を備えて摩耗粉を吸着するか、遮へい板によって防止します。また、図22のように、飛散した油がケース内面に設けられた溝を伝わって油だまりに流れ、油面を一定に保ち、軸受へ的確に給油する方法があります。❹循環潤滑給油部分が多くて、自動給油したほうが経済的なとき、又は冷却を要する高速回転などに用いられます。潤滑油は圧力が調整できるポンプで送られ、循環系統にフィルタやクーラが取り付けられるので、理想的な潤滑方法です。図23のように、給油と排油の位置はなるべく反対側に設け、特に油がたまり過ぎないように、排油口を大きくします。❺噴霧潤滑(オイルミスト潤滑)フィルタによってちりやほこりを除去し、乾燥した圧縮空気で油を霧状にして、軸受に供給する方法です。空気と油が軸受を通過するとき、空気が軸受を冷却し、油が軸受を潤滑します。そのうえハウジング内の圧力は、大気圧より高いので、外部からの水、異物の侵入が防止できるなど多くの利点があります。したがって、高速内面研削軸などの高速回転に適しています。❻ジェット潤滑超高速回転や高温で、苛酷な使用条件に用いられる信頼性の高い潤滑方法です。高速回転の軸受付近の空気は、軸受とともに回転して空気の壁ができるので、軸受に油を供給するための噴射速度は、内輪軌道面周速の20%以上にする必要があります。図24のようにノズルから噴射した油は、内輪と保持器とのすきまに入るように吹き付けます。油量が多いので、排油口図21滴下潤滑図23循環潤滑潤滑55


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