IKO_CAT-1603_NEEDLE_JP


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23IKO軸受は、軸受材料の高品質化及び製造技術の進歩により、軸受寿命が延びたことを考慮した基本動定格荷重を寸法表に記載していますので、通常の場合は、a2=1として式(6)で計算します。使用条件係数a3軸受の使用条件、特に潤滑の寿命に対する影響を補正するための係数です。軸受の寿命は、繰返し応力のかかる表面下の疲れ現象であるといえます。したがって、転動体と軌道面とは油膜で完全にへだてられ表面損傷が無視できる良好な潤滑条件の場合、a3=1とします。潤滑条件が良好でない場合、例えば、潤滑油の粘度が低い場合や転動体の周速が特に遅い場合などには、a3<1となります。また、潤滑が特に良好な場合にはa3>1の値をとることができます。潤滑条件が良好でなくa3<1の場合には、一般に軸受特性係数a2は1を超える値はとれません。なお、基本動定格荷重による軸受の選定については、それぞれの用途にふさわしい信頼度係数a1を必要に応じて考慮し、従来からの同種機械での潤滑条件、温度条件、取付状態などを基準にして、機種別に、経験的に決められた(C/P)又はfhの値から行うことを推奨します。制限条件この寿命計算式が適用されるのは、軸受の取付け、潤滑が正常であり、軸受内への異物の侵入がなく、極端な使用条件でない場合に限られます。これらの条件が満足されない場合には、寿命が低下することがあります。例えば、軸受の取付誤差、ハウジングや軸の過度の変形、高速回転時に転動体に働く遠心力、過大な予圧、ラジアル軸受の特に大きいラジアルすきまなどの影響は別に考慮しなければなりません。また、動等価荷重が基本動定格荷重の1/2を超える場合にも、寿命計算式はそのままでは適用できないことがあります。温度、硬さによる基本動定格荷重の補正温度係数軸受の使用温度は、その材質、構造により個々に決めていますが、特殊な耐熱処理を施すことにより150℃を超えて使用することも可能です。軸受温度が150℃を超えると、許容接触応力が漸減するため、基本動定格荷重は低下し、次の式で求められます。Ct=ftC……………………………………(7)ここにCt:温度上昇を考慮に入れた基本動定格荷重Nft:温度係数(図4参照)C:基本動定格荷重N温度°C1502002500.750.80.850.90.951.0ft図4温度係数また、120℃以上の高温で使用する場合、寸法の変化量が大きくなるため特殊な熱処理を施すことが必要です。ご要望の際は、IKOにお問い合わせください。硬さ係数軸受内輪又は外輪のかわりに、軸又はハウジングを軌道面として使用する場合には、軌道面として使用する部分の表面硬さは58~64HRCが必要です。58HRCより低い場合、基本動定格荷重は低下し、次の式から求められます。CH=fHC……………………………………(8)ここにCH:硬さを考慮に入れた基本動定格荷重NfH:硬さ係数(図5参照)C:基本動定格荷重N軌道面硬さHRC60504030200.10.20.410.80.6fH図5硬さ係数基本動定格荷重と寿命


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