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アキシアル負荷能力は、転がり疲れの現象に基づく基本動定格荷重とは異なり、ころの端面と内外輪の案内つばとの滑り接触による発熱量によって決定されます。そのため、荷重条件、滑り速度、潤滑方法などによって制約されます。ローラベアリングのアキシアル負荷能力は、次の式により求めます。ただし、ラジアル荷重に比較して、アキシアル荷重が大きいと円滑な転がり運動に支障をきたすので、アキシアル負荷能力としてはラジアル荷重の20%を超えない範囲で使用してください。■アキシアル負荷能力計算例シーブ用軸受NAS5016ZZNRをn=250min-1、グリース潤滑でアキシアル荷重が間けつ負荷されるときのアキシアル負荷能力を算出します。軸受内径80mmの場合、図1の性能ライン(ii)より、fA=18000となります。a=1dm≒80+125=102.52dmn=102.5×250≒25600図2によりfv≒0.87したがって、アキシアル負荷能力CAはCA=fvafA=0.87×1×18000≒15700Nとなります。CA=fvafA………………………………………(1)ここにCA:アキシアル負荷能力Nfv:速度補正係数dmn値を算出し、図2より求めます。dmn=dm×ndm:軸受内径と外径との平均値mm(dm≒d+D2)n:回転数min-1dmn≦1000の場合fv=1です。a:軸受の形式による値(表5参照)fA:アキシアル負荷能力係数(図1参照)8000006000004000002000001000008000060000400002000010000800060004000200010008006004002001001020406080100200400軸受内径dmmアキシアル負荷能力係数fA(iii)瞬間負荷(ii)間けつ負荷(i)連続負荷図1アキシアル負荷能力係数表5軸受の形式による値軸受の形式NAS50NAG49NAU49、TRU10.780.7a238