IKO_CAT-1603_NEEDLE_JP


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■すきまラジアルすきまは、エンジン形式や運転条件(回転数、軸受荷重,潤滑条件など)によって決定されます。すきまが不適切であると、軸受は焼付破損、早期はくり及び音響増大を誘起し、エンジン性能をフルに発揮できないので、すきまの設定に当たっては実験や経験値なども考慮して選定する必要があります。推奨ラジアルすきまは、表3によります。高速回転の場合はすきまの上限を選定することを推奨します。■はめあい表3の推奨ラジアルすきまを得るため、通常、コネクティングロッド穴、ピン及び針状ころをそれぞれ選択し組み合わせる必要があります。■使用上の注意図1コネクティングロッド、クランクピン及びピストンピンの軌道面は、ニードルケージ同様、極めて苛酷な使用条件下での負荷を受けるため、次の事項を考慮して設計する必要があります。❶材質繰返し頻度の高い衝撃を伴う変動荷重を負荷するため浸炭鋼を使用することが望ましく、一般にはクロムモリブデン鋼が多く使用され、他にニッケルクロムモリブデン鋼なども使用されます。❷硬さ表面硬さは697~800HV(60~64HRC)、有効硬化層深さは使用条件によっても異なりますが、通常0.6~1.2mmの範囲で選定します。❸表面粗さ初期摩耗を防ぎ寿命を増大させるためには、クランクピン及びピストンピンは0.1μmRa以内、コネクティングロッドの大端部及び小端部は0.2μmRa以内が望まれます。❹精度コネクティングロッド及びピンの真円度、円筒度は表4によります。❺コネクティングロッドの平行度とねじれ図1に示すL±0.02mm、E±0.02mmは大小端部穴の平行度とねじれの精度を示します。許容差は100mmに対し0.04mm以下とし、レース用オートバイなどの高速回転の場合は、0.02mm以下が望まれます。これらの精度が満足されない場合、ニードルケージやコネクティングロッド自身の軸方向の力が増大し、焼付事故などに直接つながるので、十分な配慮が必要です。表3推奨ラジアルすきま軸径の区分mmを超え─18301830403~15(dp-6)~dp(dp-8)~dp(dp-12)~dp以下大端部小端部単位μm表4コネクティングロッド及びピンの精度を超え─1830183040123234234345以下真円度最大円筒度最大真円度最大円筒度最大備考各部寸法記号は図1を参照ください。単位μmクランクピンの直径d1ピストンピンの直径d2径の区分mm大端部の穴径D1小端部の穴径D2備考dpは、ころのピッチ円径mm(Fw+Ew2)をμmにおきかえた値です。例大端部用KT222814EGの推奨ラジアルすきま:17~25μmD1LLD2dd21±0.02±0.021005050EE137KT…EGKTV…EG


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