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■はめあいシェル形ニードルベアリングは、ハウジング穴に圧入されたのち初めて正規の寸法精度が得られます。薄肉外輪のため、軸受精度はハウジングの寸法、形状及び剛性が直接影響するので、十分な注意が必要です。また、軸及びハウジング穴に取り付けたときのラジアルすきまは、軸受、軸及びハウジング穴のそれぞれの許容差によって変化します。シェル形ニードルベアリングの推奨はめあいは、表4に示すとおりです。表5に取付け後のラジアルすきまの計算例を示します。この計算は内輪なしで、厚肉の鋼又は鋳鉄製ハウジングの場合に適用します。ハウジングが軽合金及び薄肉鋼管などの場合は、実測による寸法確認が必要です。なお、一般に、ラジアルすきまを小さくする場合には、ハウジング穴を小さくせずに軸径を大きくすることが推奨されます。表4推奨はめあい軸受の形式TA…Z、BA…Z、BHA…ZTAM、BAM、BHAMYT、YB、YBHTLA…Z、TLAM、YTLTLA…UUハウジング材質鋼鋳鉄h6h6h6h6k5(j5)k5(j5)k5(j5)k5(j5)J7M7(N7)N7R7(S7)軽合金(薄肉鋼管)鋼鋳鉄軽合金(薄肉鋼管)公差域クラス軸(1)内輪なし内輪付きハウジング穴注(1)ハウジングが軽合金及び薄肉鋼管の場合は、その肉厚と形状による内接円径への影響が特に大きいので、量産の前に組込み試験を行い、寸法変化を確認して、ほぼ普通すきまになるような軸径の許容差を決定する必要があります。表5取付け後のラジアルすきまの計算例計算手順❺取付け後のラジアルすきまラジアルすきまの最大値(Grmax)=Fwemax-Fminラジアルすきまの最小値(Grmin)=Fwemin-Fmax71ページの表2.1よりD0=25.972Fwmax=20.028Fwmin=20.00781ページの寸法表よりDmax=25.993Dmin=25.972計算式よりFwemax=20.049Fwemin=20.00781ページの寸法表よりFmax=20.000Fmin=19.987計算式よりGrmax=0.062Grmin=0.007取付け後のラジアルすきまは0.007~0.062mmとなります。TLA2020Zの例単位mmD:ハウジング穴径Fw:内接円径F:軸径Gr:ラジアルすきま❶リングゲージに圧入した時の軸受の内接円径の寸法リングゲージ寸法(D0):71ページの表2.1、表2.2参照内接円径の最大値(Fwmax):プラグゲージの止り寸法内接円径の最小値(Fwmin):プラグゲージの通り寸法❷ハウジング穴の寸法ハウジング穴の最大値(Dmax):寸法表参照ハウジング穴の最小値(Dmin):寸法表参照❸ハウジング穴に圧入した時の軸受の内接円径の寸法内接円径の最大値(Fwemax)=(Dmax-D0)+Fwmax内接円径の最小値(Fwemin)=(Dmin-D0)+Fwmin❹軸の寸法軸径の最大値(Fmax):寸法表参照軸径の最小値(Fmin):寸法表参照FGFwDr72シェル形ニードルベアリング