IKO_CAT-1601_RED_JP


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Ⅱ178潤滑使用上の注意STシリーズは、グリースが封入されていませんので、適正な潤滑を行って使用してください。STシリーズは、油潤滑又はグリース潤滑のいずれでも使用できます。グリース潤滑のときは良質のリチウム石けん基グリースの使用を推奨します。給油は外筒の油穴より行います。❶はめあいSTシリーズの推奨はめあいを表5に示します。STシリーズは回転と往復直線運動を同時に行うため、衝撃荷重や振動を伴う荷重を受けるときには、ラジアル内部すきまを小さくする必要があります。特に立軸に使用するときや高精度な運動を必要とするときには、ラジアル内部すきまをゼロ又はわずかな予圧状態で使用することを推奨します。過大な予圧は寿命を低下させますので、ラジアル内部すきまの下限値は表6の値を下まわらないようご注意ください。表5推奨はめあい使用条件公差域クラス軸ハウジング穴通常の使用条件k5、m5H6、H7立軸又は高精度のときn5、p6J6、J7表6ラジアル内部すきまの下限値単位μm内接円径Fwの呼び寸法mmラジアル内部すきまの下限値を超え以下46- 2610- 31018- 41830- 53050- 65080- 880100-10❷軌道面軸を相手軌道面として使用するため、軸は熱処理・研削仕上げを必要とします。軸の表面硬さと表面粗さの推奨値を表7に、最小有効硬化層深さの推奨値を表8に示します。表7軌道面の表面硬さと表面粗さ項目推奨値備考表面硬さ58~64HRC表面硬さが低いときは、定格荷重に硬さ係数(1)を乗じます。表面粗さ0.2μmRa以下(0.8μmRy以下)精度がゆるやかなところでは、0.8μmRa(3.2μmRy)程度でも使用できます。注(1)さ係数はⅢ5ページの図3をご参照ください。表8軸の最小有効硬化層深さ単位mm軸径最小有効硬化層深さの推奨値を超え以下─280.828501.0501001.5❸ストローク長さ使用するストローク長さは、寸法表に記載の最大ストローク長さの80%以下を推奨します。❹使用温度使用温度は最高120℃まで、連続使用の場合は100℃までの温度範囲で使用できます。温度が100℃を超えるときはIKOにお問い合わせください。❺外筒と軸の組付け軸を挿入するときは、鋼球に衝撃を与えないよう注意してください。保持器は取付け後、外筒の中央になるよう位置の修正を行います。このとき外筒をハウジングに取り付けた後、軸を静かに挿入します。軸とともに保持器も移動し片側の面に当って止まります。さらに鋼球や軌道面に傷をつけないよう最大ストローク長さの1/2を加えた位置まで軸を押し込み、その長さ(最大ストロークの1/2)だけ戻すことにより、保持器は外筒の中央に位置し正規に取り付けることができます。図2取付例


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