>> P.289
Ⅱ239潤滑防じん使用上の注意リニアウェイモジュールシリーズには、極圧添加剤入りリチウム石けん基グリース(アルバニヤEPグリース2[シェルルブリカンツジャパン㈱])が封入されています。リニアウェイモジュールシリーズにはグリースニップルが付いていませんが、機械・装置側から供給されたグリースまたは潤滑油が直接転動体循環路に導かれるようスライドメンバーに油穴を設けてあります。機械・装置側に図3のような供給路を設けることにより、容易に潤滑を行うことができます。リニアウェイモジュールシリーズのスライドメンバーは、標準装備の側面シールで防じんしていますが、多量のごみやほこりが浮遊するときや、切りくずや砂じんのように比較的大きな異物がトラックレールに付着するときは、ジャバラやテレスコープ式シールドなどで全体を覆う方法を推奨します。❶取付面、取付基準面と一般的な取付構造リニアウェイモジュールシリーズを取り付けるとき、テーブル及びベッドの取付基準面に、トラックレールとスライドメンバーの取付基準面B・Dを正しく合わせて固定します。(図4参照)取付基準面B・D及び取付面A・Cは精密に研削仕上げされています。機械・装置など相手側の取付面も高い精度に加工し、正しく取り付けることにより、安定した高い精度の直線運動が得られます。図4取付基準面と一般的な取付構造❷スライドメンバーの固定リニアウェイモジュールシリーズの標準的な取付構造を図5に示します。直動案内機構部の遊びを除去したり予圧を与えるための簡便な機構として、予圧調整ねじがよく利用されます。予圧調整ねじは、スライドメンバーの固定ボルトの取付位置に合わせ、スライドメンバーの高さ方向の中央を押してください。なお、LWLMのスライドメンバーの取付けは、予圧調整時のボルト穴の調整代が小さいため、テーブル側からの固定を推奨します。このとき、テーブル側のボルト穴及びざぐり部は、調整代分だけ大きく加工する必要があります。図5予圧調整ねじによる取付BADCDCABDCAB予圧調整ねじ予圧量は、機構・装置の使用条件により異なりますが、過大な予圧は寿命の低下や軌道面の損傷につながりますので、一般的にすきまゼロ又はわずかな予圧状態に調整するのが理想的です。❸取付基準面の肩の高さと隅の丸み相手側の取付基準面の隅の形状は、図6のように逃げ部を設けることを推奨します。相手側の取付基準面の肩の高さと隅の丸みの推奨値を表7.1、表7.2、表7.3に示します。図6取付基準面の隅の形状❹固定ねじの締付トルクリニアウェイモジュールシリーズを鋼製の相手部材に取り付けるときの一般的な締付トルクを表6に示します。機械・装置の振動衝撃が大きいときや、荷重変動が大きいとき、あるいはモーメントが負荷されるときには、必要に応じて表の値の1.2倍から1.5倍程度のトルクで固定します。また、相手部材が鋳鉄やアルミニウム合金などのときは、相手部材の強度特性に応じて締付トルクを低減してください。表6固定ねじの締付トルクねじの呼び締付トルクN・m炭素鋼製ねじステンレス鋼製ねじM2.6×0.45-0.7M3×0.51.81.1M4×0.74.1-M5×0.88.0-M6×113.6-M8×1.2532.7-M10×1.563.9-M12×1.75110-備考締付トルクは強度区分12.9及び性状区分A2-70を基準に算出しています。図3潤滑方法の例